電子書籍の表紙画

▶ in WORKS posted Tue 10 Jun 2008 / 21:39

悪友ヌード3月に電子書籍用の表紙画を描いていたのですが、6月5日に販売されることになりました。
それぞれの画像をクリックすると、「電子書籍パピレス」の作品紹介ページに飛びます。
原画はartbeeのほうに展示してあります。

「悪友」のほうは、絵だけだとどうも自分でもイメージが固定できなかったので、サンプルで題字入れをしてお届けしたのですが、題字ごと採用していただけたようです。(…たぶん)
「ヌード」のほうはイラストのみです。
どちらも「天野了」さんの作品です。
描く前にざっと担当のKさんに小説のあらすじを説明していただき、ラフを制作してKさんと作者の天野さんと3人でイメージを固めていきました。
「ヌード」で描かれた男性は主人公になります。
顔の造作など描いてしまうことで読む側に固定観念を与えたくない、ということで全員の意見が一致しましたので、顔は影に。
ボウズヘアは天野さんのリクエストです。
この絵でわたしは生まれて初めてボウズヘアの男性を描いたんじゃないかと思います。

このヘアスタイルと、主人公である彼がカメラマンということでカメラを持つ手の部分を相当ねちねちと練りまくったのですが、ヘアスタイルは天野さんから具体的なサンプル画像を送っていただき、手のほうは旦那にカメラを持たせーの、息子にカメラを持たせーの…。
ところが写真に撮ってみたら旦那の手は老けすぎてだめ、息子の手は若すぎてだめ、結局自分でモデルになって、そこに男の人っぽい肉付きを持たせて制作。

「悪友」のほうはボーイズ・ラブにカテゴライズされているようですが、天野さんの書く小説は現代小説のほうに分類されても違和感のないものでは、と思います。
こういうことを書くと、ジャンル的に好きな方にとっては大変失礼になってしまうのかもしれませんが、流行のボーイズ・ラブ系の小説で、そういう絵を求められたとしたら、わたしはお断りしていたと思います。
ボーイズ・ラブが好きとかキライとかいうことではないですし、官能的な絵の表現ってすっごく好きなんですけど、よく見るボーイズ・ラブ系な絵が描けないというのがあって。
(仕事として求められるのなら、描けるようになってないといかんかなあ、とは思うけど…)
氏の小説では、むしろそういった路線ではなく、文芸作品として捉えたい、というKさんのご意向もありましたので、表紙画も現代小説っぽく。
上に乗っているタッチはカラーインクを紙に垂らして、割り箸を削った先でひっかいて作ったものです。

お互いに意見を重ねながら作品を作っていく、もっとも楽しい工程を体感することのできたお仕事でした。
天野さんとKさんに心より感謝申し上げます。

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