Brassed off

前にもどこかでブログに書いたような気がするけれど、音楽教師だった私の母はチャイコフスキーがとても好きでした。
でも、私はどうもあの暗い旋律が苦手でして。
ロシアの曲はだいたい重厚な雰囲気のものが多いような気がしますけれど、もとより私はクラシックにあまり詳しくないのでよくわかりましぇん。

そんな私も音楽は好きなので、やっぱり母の血を引いているのかなと思うけれど、なかでも金管楽器の演奏や交響組曲なんかが大好きです。

Brassed off/1996年(邦題「ブラス!」)は、小さな炭鉱の町の実在のブラスバンドの話を元にしたイギリスの映画ですが、何度見ても号泣するんです。
号泣するのは私くらいかと思いますが。

タイトルの「ブラス!」はブラスバンドのことじゃないそうです。
Brassed Off=うんざりする という意味なんだそうな。
廃坑になり、職を失い、家を失い、家族を失い、生きる希望も失ってしまう炭鉱の町の人達の話。
炭鉱夫の余暇娯楽のために設立されたブラスバンドとはいえ、決して裕福ではない彼らがひとりひとり楽器を持ち、活動を続けるのは相当大変だっただろうなと思います。
楽器はとにかくべらぼうに高い。

モデルになったグリムリー・コリアリー・バンドは今も活動していますが、映画の中でも演奏をしています。
とにかく、うまい。
ラストのほうで演奏される「ウィリアム・テル」はかなり人気の様子。
コルネットのソロが圧巻。
私はこの演奏を聴くと、なんか元気沸いてくる。



映画に出て来る音楽は、アランフェス協奏曲、ダニー・ボーイ、このウィリアム・テル序曲、威風堂々、といった誰もが耳にしたことのある音楽が多いのでとっつきやすいです。

ラストに優勝したコンテストで最高のスピーチシーンを演じたダニー役のピート・ポスルスウェイトは2011年、64歳という若さで他界しています。残念です。

ダニーのスピーチは生きてる人間の深い憤りの言葉だったかと思います。
Diary | - | -