蒸して焼かれるパンツ運動会

最初に蒸し、その次に水をざざーっとかける。
次にその水を蒸発させつつこんがりと焼く。

ああ、美味しそうじゃないですか。
本当に料理だったら言うことないんですけど。

今日はカイの小学校の運動会。
昨日まではカーッと照りつける太陽から紫外線満杯攻撃、運動会当日もこんな天気だったら地獄だなあ、と思っていたら朝から曇天。晴天よりはまだましか、とでかけたら、蒸し暑いのなんの。学校に着くまでに汗がだらだらとこぼれ落ちます。
それでもまだ晴天よりはましと自分に言い聞かせていたら今度はぽつぽつと雨粒が落ちてくる。
それが見る間にザザーッという大雨になり、慌ててカメラをバックにしまう。
空を見上げると向こうのほうに青空が見えたので、たぶん通り雨だろうと考え、濡れるのもまたよしかな、と思っていたら今度は晴れた。
晴れたら暑い。
たまらなく暑い。
降った雨がぐんぐん湿気となって運動場にたちこめる。
お母さんたちの香水の香りもたちこめる。
ひぇぇぇぇ〜〜〜…。

自転車置き場に退散。
カイは年々マイペース度に磨きがかかり、去年は100m走でビリだったと泣くくらいのデリケートな部分があったのに、今年はもうどーでもいいや的な雰囲気がありありと見えます。

1年生から順番に男女交互に走ってくるので、ゴールのあたりで父兄が順番に前に詰めていくような体系を暗黙のうちにとってましてね。
我が子がゴールに来たらすばやくその場を離れて前列を譲ってあげるんですよ。
わたしもちゃんと並んで待ちましたよ。カメラ抱えて。
ただ、100m先って、わたしは目が悪いから望遠覗いててもスタート地点って見えないのよね。
とりあえず、カイの学年が来るまでピント合わせやらシャッター切りのシミュレーションをよその子でやってて、で、カイの学年になったら一番前を陣取ってずーっとファインダー覗いてたんですけど。

よーいどん、で二組目くらいで一番右を走ってる子が、なにやら途中で
「あ、パンツずれちゃった」
みたいな感じで引き上げる姿がファインダー越しに見えて、
「ん?」
と、思ったらそれが我が子の姿。
うっ、と呻きつつシャッターを切るも間に合わず。
ビリ。

パンツなんか落ちてもええからちゃんと走らんかい!


…いや、そういうわけにもいかないんやろな。

この数十分、炎天下で順番待ちをした成果もなく、がっくりと肩を落として次の人に場所を譲ったのでありました。

おととしまではリョウもまだ一緒に見に来ていましたが、今年はさすがにもう来ない。
お昼のお弁当だけは一緒に食べてあげよう、と親は頑張って朝からおにぎりやら卵焼きやら作って行くんだけど、カイは自分の食べる分を食べたらさっさとどこかに行ってしまいます。
ちょっと一緒に写真撮ろうや、なんて言うヒマもない。
親よりは、友達と一緒にいるほうがいいようで。

よその低学年の子や、一緒についてきた幼稚園や赤ちゃんなんかを横目に見て、あんな時もあったんやなあとぼんやり考えます。

帰宅後、昨晩どっかり届いて出力できなかったFAXを出すことに奮闘し(ちょっと器械の調子が悪かった)、チェックできなかったメールを受信して、明日からまた仕事です。
ああ、体が泥のようだ…。
蒸すと焼くを繰り返されて、何となく煮崩れた気のするわが身です。
とても食えません。
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