こうして化けの皮は剥がれていく

次男のカイは今年の4月で6年生ですから、小学校最後の年になるわけですが、バスケットボールチームでも最上級生、ということは、その保護者は必然的に役員となります。

地域によって差もあるでしょうが、子供に興味のあるスポーツは野球かサッカー、バスケットボールは今ひとつ人気がなくて、カイの学年はたった5人しかいません。
その5人が中心となって来年度は最後の全国大会まで目指さないといけないんだけど、カイはぽ〜〜っとしている性格なので、先が遠そうです。
今もカイは練習試合後の反省会を父親とやっています。
まあ、まだ今は5年生というのもあるのですが、カイはボールを見ていないことが多いです。身長はそこそこあるので、ディフェンスすると相手の前に来たときにカットできる状況も多々あったのに、ボールに手がかかっていながらその手を引っ込めてしまう。
カイはどうも、頭で考えるよりも先に体が動くタイプではなく、頭で理解しないと体も動かない人のようで、ひとつひとつを丁寧に指摘されないといけないようです。
昨年まではわたしはあまりバスケットに首を突っ込んでいなかったのですが、今年からは役員ということもあって、練習日やら、週末ごとにある練習試合やらに毎回顔を出さないといけなくなりました。
長男リョウのときはそれもけっこう楽しかったのですが、それから既に5年たち、5年たったってことは5歳トシを食ってる、ということで、疲れる疲れる…。5年前の比ではない、この疲れよう…。
今はまだ仕事がたてこんでいる状態ではないので助かっているのですけれど、あと一年、大丈夫なんだろうか、と自分が不安になります…。

それにしても冬の体育館は寒い!
カイロを貼って靴下は二枚履き、断熱シートを敷いた上に座っていても2時間くらいするとじんじんと冷えてきます。
それでも頑張って見ているんですけど、わたしはバスケットボールは好きだけれど、いまいちルールのことはあまりよく分かっていません。
横に座ってるお母さんがすごかった。

「走れぇぇぇぇぇ!!!」

と、ずーーーっと叫んでいるので、この人はきっとバスケのことに詳しいに違いないと思い、トラベリングでホイッスルが鳴ったときに、
「ねえ、トラベリングって何?」
と尋ねてみたら

「知らん!!」

おぉ?

可愛い人です…。

それでも横でずーっと叫んでいるのが移ったのか、うずうずとお節介の虫がうずきだし、ベンチがあまりに静かなので

「声出して応援せんかーっ!!」

思わず叫んでしまった…。
そのあと子供らが小さい声で「行けーいーけ…」と言い出したのを、やめときゃいいのに

「聞こえてんのか、こらぁ!」


…追い討ち…。
その声が途方もなくデカかったらしく、叫んでいた周囲が「しん!」と一瞬静まりかえり…。

試合後、
「いやー、うのさんがあんな声を出す人だとは思いませんでした。」
「今日はイメージがくつがえされました。」
「実は熱血だったんですね。」

ああっ…。

気弱で頼りなげで儚げな母親を演じて一年を過ごすはずだったのに…。
見た目だけならそれで充分通るはずだったのに。
(いや、それは自分の思い込み。)
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