蒸して焼かれるパンツ運動会

最初に蒸し、その次に水をざざーっとかける。
次にその水を蒸発させつつこんがりと焼く。

ああ、美味しそうじゃないですか。
本当に料理だったら言うことないんですけど。

今日はカイの小学校の運動会。
昨日まではカーッと照りつける太陽から紫外線満杯攻撃、運動会当日もこんな天気だったら地獄だなあ、と思っていたら朝から曇天。晴天よりはまだましか、とでかけたら、蒸し暑いのなんの。学校に着くまでに汗がだらだらとこぼれ落ちます。
それでもまだ晴天よりはましと自分に言い聞かせていたら今度はぽつぽつと雨粒が落ちてくる。
それが見る間にザザーッという大雨になり、慌ててカメラをバックにしまう。
空を見上げると向こうのほうに青空が見えたので、たぶん通り雨だろうと考え、濡れるのもまたよしかな、と思っていたら今度は晴れた。
晴れたら暑い。
たまらなく暑い。
降った雨がぐんぐん湿気となって運動場にたちこめる。
お母さんたちの香水の香りもたちこめる。
ひぇぇぇぇ〜〜〜…。

自転車置き場に退散。
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Nobody Nowhere

世界で初めて「自閉症」である本人が自らの内面世界を書いた「自閉症だったわたしへ」(原題・Nobody Nowhere)は有名な本です。
作者であるドナ・ウィリアムズは現在43歳。
わたしはもちろん原文を読むことはできないので、日本語訳された本を読んだわけですが、その文章力に圧倒されます。
彼女のサイトに行くと、絵画、彫刻、音楽、とあらゆる創造的分野で、彼女の類まれな才能を見ることができます。

わたしが彼女の本を手にとったのは、高機能自閉症やアスペルガー症候群といった人自身が、何をどう感じ、どう考えているかを知りたかったということがあります。
春になったとき、美しい花がたくさん咲きますね。
ピンクのチューリップが群となって咲いていると誰もが「きれいね」と言いますよね。
でも、その「きれいね」と感じる度合いや感動の目線は人それぞれです。
ある人はピンクの色が一面に広がっているからきれいだと感じるのだろうし、ある人はピンクの花だからきれいだと思うのかもしれない。(心の中では黄色い花でなくてよかったと感じているのかもしれない)
またある人はピンクの色に葉の緑があるからきれいだと思うのかもしれない。
それはその人の心の中に自分が入ってみなければ分からないことですが、総じて大体の人が「きれいね」と思うものです。
そういう「大体の人」を高機能自閉症、アスペルガー症候群の人たちは「定型の人」と呼びます。
「定型の人」。「定まった型に入っている人」。
なんとも切ない呼び名です。
型に入り込んでいるために、わたしはさらに彼らの心の中を知ることができない。
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無花果災難

このブログのタイトルやサイトのフォトギャラリーで写真を飾らせてもらっている『川端屋雑貨店』が8月末で閉店したと聞いてショックでした。
もともと何をするにしても、決めるのも実行するのも早いオーナーさんでしたが、ある日ふっと「やめる」と決めて、たたたっと閉店してしまったんだそうな。
理由はいろいろあったようですが、あそこのお店は被写体としてもとても好みだったので、残念でなりません。
今となってはわたしが撮影した数十枚の写真だけがその名残です。
こうなったら自己没にした写真も飾っておくかな。

昨日もおとといも、めずらしくあちこち外回りの日だったんですが、いつもお世話になっている印刷会社さんの事務の女性が、久しぶりに顔を合わせたら
「わたし、10月で退社することになりまして…」
とおっしゃったのでショック!
かわいい人でねぇ…。かわいいというより、美人、というほうがいいのかなあ。
性格も最高やし、しっかりしてはるし、こんなええ人そうそうおらんで、と、見てるだけで嬉しかった。
これから何を喜びにしてこの会社に行けばいいのか分からんぞ。
(や、それはその会社の人にシツレイですってば。)

ここんとこ、顔なじみのクライアントさんのところでの変化がいろいろあって、川端屋雑貨店は閉店になりましたけど、同じオーナーさんが経営しておられるイタリアンレストランはあるわけですし、会社を去って行かれてもそれで別に二度と会えないということでもありません。
それぞれが新しい出発をしていらっしゃるわけですから、元気で頑張ってね、と応援したいなというのが一番かもしれません。
ほんと、元気で頑張ってね。たまには連絡くださいね。


話は突然変わりますが、昨日ふと食べたくなって無花果を買いました。
無花果は昔からとても好きなんですけど、食べるとあっという間にお腹にきてしまうというのが難点。
乾燥無花果を2つほど食べても翌日は自然さを通り越して「あああああ…」とげっそりするほどになるのです。
ナマとなると、効果もすさまじかもしれん、と思ったのですけど、別に食べたことがないわけじゃないし、たまにはいいかな、食べたいし、と1パック購入。
それが悲劇の始まりでした。
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健全なる肉体は健全なる疲労の上に成り立つ

朝、マンションのオートロック側のインターホンが鳴って慌てて飛び起きたら午前8時。
うっわーーーーっ!完璧遅刻!!
次男の登校班は先に行ってもらうよう伝えて、家族中を叩き起こす。
遅刻どころか……最低よ、2時間も寝過ごしちゃって。
当然、長男にはお弁当作れませんでした。
わたしが起きなきゃ、家族の誰ひとり起きないって、どうよ?
とりあえず、次男はお父さんが車で学校まで送っていって、長男には昼食用のパンを買うお金を握らせて、何とか普通通りの時間に家を出たので大丈夫だと思う。

なんで起きれなかったのかなあ、よっぽど疲れてたのかなあ……などとぶつぶつつぶやきながら病院へ。まだ頭がぼんやりしてる。
今日は一昨日やってもらった健康診断の結果日で。

健康診断なんてねえ、行きたくないんですよねえ。
まかり間違って何か出たらイヤじゃないですか。
これ以上もうどこにも神経使えませんて感じで。

で、結果。
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マジックミラーの向こう側

その部屋に入ると窓がなかった。
いや、本当はあるにはあった。でも、その窓は建物の廊下に面していて、なおかつぴっちりと閉じられており、外の景色が見えるような窓はなかった。
部屋の中心に4人掛け用の応接セットが一組。壁に子供用の古い絵本がずらっと並んでいる。
部屋のドアの対面の壁にもうひとつドアがあって、どうやら直結してその向こうにもうひとつ部屋があるようだ。
ドアの上半分が擦りガラス貼りになっていて、ガラスの向こうが真っ暗なので、隣の部屋もやっぱり窓がなくて、なおかつ無人であるようだ。
「ここでお待ちくださいね。」
と、置き去りにされ、次に人が来るのは一時間後、というのが分かっていたので、ソファに座ってバックの中から文庫本を取り出す。
でも10分たってやっぱり顔をあげてしまった。
陰気過ぎる。
部屋が陰気過ぎる。
夏だというのに、外気を取り込むことのできない部屋。
エアコンもついていない。
なのに、どうしてこの部屋はこんなにうっすらと寒い?
天井を見上げると、蛍光灯が2本だけついていた。
隣の部屋に続くドアが左手側に見えていて、そうっとそちらに目を向けてみる。
やっぱり暗い。
耳を澄ませてみても物音ひとつしない。
そのドアの左横に目を向けて、そこに無造作に貼られた色画用紙を見た途端「うーん」と唸ってしまった。
色画用紙は鏡の上に貼られていた。
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