Nobody Nowhere

▶ in Diary posted Wed 19 Sep 2007 / 12:53

世界で初めて「自閉症」である本人が自らの内面世界を書いた「自閉症だったわたしへ」(原題・Nobody Nowhere)は有名な本です。
作者であるドナ・ウィリアムズは現在43歳。
わたしはもちろん原文を読むことはできないので、日本語訳された本を読んだわけですが、その文章力に圧倒されます。
彼女のサイトに行くと、絵画、彫刻、音楽、とあらゆる創造的分野で、彼女の類まれな才能を見ることができます。

わたしが彼女の本を手にとったのは、高機能自閉症やアスペルガー症候群といった人自身が、何をどう感じ、どう考えているかを知りたかったということがあります。
春になったとき、美しい花がたくさん咲きますね。
ピンクのチューリップが群となって咲いていると誰もが「きれいね」と言いますよね。
でも、その「きれいね」と感じる度合いや感動の目線は人それぞれです。
ある人はピンクの色が一面に広がっているからきれいだと感じるのだろうし、ある人はピンクの花だからきれいだと思うのかもしれない。(心の中では黄色い花でなくてよかったと感じているのかもしれない)
またある人はピンクの色に葉の緑があるからきれいだと思うのかもしれない。
それはその人の心の中に自分が入ってみなければ分からないことですが、総じて大体の人が「きれいね」と思うものです。
そういう「大体の人」を高機能自閉症、アスペルガー症候群の人たちは「定型の人」と呼びます。
「定型の人」。「定まった型に入っている人」。
なんとも切ない呼び名です。
型に入り込んでいるために、わたしはさらに彼らの心の中を知ることができない。
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